システムの歴史
現代のサッカーのシステムは、3−5−2や4−4−2など様々なシステムがあり、どのシステムが一番よいのかは、選手個人の能力などにかなり左右されます。しかしながら、少年サッカーでは、今は、フラットスリーが流行だから3バックでゲームをしよう、又、2トップが主流だから2トップシステムを導入しようとか、選手個人の能力を勘案しないで安易に流行するシステムを導入する傾向が強いように思えます。もっと選手個人の能力を引き出し、又、イマジネーションを働かせるシステムでよいと私は、思います。そこで、過去のサッカーのシステムの歴史を辿ってみることにしました。
初期のシステム(2−3−5システム)
まだ、選手の個人能力や戦術面が未熟であったため、前へボールを大きく蹴り出し、そこへ、数的優位をつくり、ゴールするというキックアンドラッシュが主流を占めていた頃のシステムである。
WMシステム
長い間、続いたキックアンドラッシュからパスアンドゴーへの時代へ突入し、各選手のタスクがはっきりとしたシステムで、現在システムの原型である。中盤の4人は、魔法の四角形とよばれた。
WMを発展させて、今日のりべロ(スイーパー)を導入した初期システムである。
4−2−4システム
1958年にブラジルがワールドカップで初優勝した時のシステムであり、世界のサッカーを変えた。中盤の二人は、リンクマンと呼ばれ、高い個人能力と運動量が要求された。
4−3−3システム
1962年にブラジルが4−2−4から発展させたシステムであり、1970年に完成した。この完成されたシステムにより、ディフェンスとオフェンスの分業がなくなり、各選手が、オールラウンドプレーヤーとしての能力が必要となった。
4−4−2(カテナチオ)
1970年におけるイタリアのシステム。守備的ではあるが、オフェンスの両サイドはかなりのスペースがあり、オーバーラップが可能である。このシステムは、当時のイタリアには、ボニンセーヤとリーバという圧倒的な攻撃力を持った選手がいたことに注目したい。
3−5−2システム
現代のサッカーシステムであるが、よく見ると、WMが基本であることが分かる。又、トルシエ監督のフラットスリーにも注目したい。又、ゴールキーパーが11人目のフィールドプレーヤーであることが再認識させられた。